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2021.04.23

マンションの修繕積立金とは?

お家が欲しいな、「マンション」にしたいなと思って物件を探すとき、あるいはマンションと戸建て、どちらかまだ決まっていないけれど、興味を持って物件を探しているとき、必ず「管理費」と「修繕積立金」という文言を目にすると思います。
本日はこちらの「修繕積立金」について、わかりやすい記事をご紹介いたします。


中古マンションの修繕積立金とは? 管理状態の目安にも

マンションを購入した場合、いつかは設備を修繕する時期が必ずやってきます。
特に中古マンションの場合、新築マンションよりも頻繁に修繕が行われる可能性があります。
そうした場合の出費に備え、多くのマンションでは「修繕積立金」を用意しています。

中古マンションの購入を検討している人へ、修繕積立金について、その仕組みや金額管理状況修繕積立金の目安を解説していきます。


◆マンションの修繕積立金とは

マンションを購入した場合、必ずかかるランニングコストのひとつに「修繕積立金」というものがあります。
これは、マンションの壁の塗り直しやエレベーターの修理など、経年劣化したマンションの設備を計画的に大規模修繕する費用を、住民全員で積み立てていくというものです。
設備の種類にもよりますが、国土交通省のガイドラインによるとその周期は12年に1回が目安となっています。

・修繕積立金と管理費の違い
マンションを維持するために支払い続ける費用として「管理費」も挙げられますが、こちらも共有設備のメンテナンスに使われるものです。
両者の違いは、管理費共有スペースの電気代水道代管理会社への委託費用(人件費など)といった日常的なメンテナンス費用であることに対し、修繕積立金は主に建物の定期的な修繕に必要となる資金をあらかじめ積み立てておくものであることです。

・修繕積立金の運用
管理組合によっては、集めた修繕積立金を普通預金でただ保管しておくのではなく、定期預金や積立型保険などで運用する場合もあります。


・大規模修繕のとりまとめは誰が行うのか

分譲マンションには、マンションの所有者全員から選出された人々によって構成される「管理組合」が存在します。
マンションの大規模修繕についても、長期計画の作成や修繕積立金の管理などは管理組合が行いますが、多くの場合、共用スペースの清掃などの作業も含めて管理会社に委託されています。

管理組合によっては、日常的に共用設備の具合をチェックするなどの活動も活発です。
そのようなマンションの場合、全戸の窓サッシをダブルサッシへ交換するなどの大規模修繕にも関係する要望が、委託先の管理会社へ伝わりやすいというメリットがあります。


◆中古マンションの修繕積立金の目安は?

長期的に計画される大規模修繕に備えて、中古マンションの修繕積立金の額はどのように決められるのでしょうか。基本的には、国土交通省の「マンションの修繕積立金に関するガイドライン」にて以下の式が示されています。

①専有床面積当たりの修繕積立金額×マンションの専有床面積(+②機械式駐車場の加算額)=修繕積立金の目安

上記のとおり、修繕積立金の額は、(1)購入した区分マンションの専有床面積、(2) 機械式駐車場の有無のほか、(3)築年数、(4)全戸数などが要素となり決まります。

それでは、これらの要素を1つずつ見ていきましょう。

(1)と(2)については国土交通省「マンションの修繕積立金に関するガイドライン」、(3)と(4)はこちらも国土交通省の「平成30年度マンション総合調査結果(2.管理組合向け調査の結果)」を参照しています。


・専有床面積当たりの修繕積立金
購入マンションの専有床面積(㎡)当たりの修繕積立金の平均月額は、以下のようにバラつきがあります。

階数/建築延床面積  平均月額(幅)
15階未満 5,000㎡未満 218円/㎡(165円~250円)
5,000~10,000㎡ 202円/㎡(140円~265円)
10,000㎡以上 178円/㎡(135円~220円)
20階以上 206円/㎡(170円~245円)

※国土交通省「マンションの修繕積立金に関するガイドライン」を基に作成


高層マンションになると修繕工事に特殊な足場が必要となるなどの要因で修繕工事費が高くなる傾向があるため、20階以上のマンションは分けて算出されています。
また、15階建て以上20階建て未満のマンションは供給量が少ないため、目安は示されていませんが、おおよそ15階未満と20階以上の平均値の間に収まるものと考えられています。


・機械式駐車場の加算額
マンションの居住者用駐車場が機械式の場合は、修繕費が高額になることから、以下の式で算出された額(B)を加算します。

機械式駐車場1台あたりの修繕工事費(A)×台数×購入を予定する住戸の負担割合=B

機械式駐車場は以下の4機種別で修繕工事費も異なります。また、住戸の負担割合については、それぞれの専有床面積割合に比例します。

機械式駐車場の機種 機械式駐車場の1台あたりの修繕工事費(A)
2段(ピット1段)昇降式 7,085円/月
3段(ピット2段)昇降式 6,040円/月
3段(ピット1段)昇降横行式 8,540円/月
4段(ピット2段)昇降横行式 14,165円/月

※国土交通省「マンションの修繕積立金に関するガイドライン」を基に作成


・完成年次別の修繕積立金
国土交通省ではマンションの完成年次別に修繕積立金を調査し、その平均を公表しています。
2015年度以降になると、修繕積立金は7,000円前後が多くなっているようです。

完成年次 平均
~1969年 2万6,356円
~1974年 9,903円
~1979年 1万2,052円
~1984年 1万1,077円
~1989年 1万1,499円
~1994年 1万1,413円
~1999年 1万2,024円
~2004年 1万1,227円
~2009年 1万1,865円
~2014年 9,244円
2015年~ 6,654円
不明 1万0,907円
全体平均(不明を除く) 1万1,243円

※国土交通省「平成30 年度マンション総合調査結果(2.管理組合向け調査の結果)」を基に作成


・総戸数別の修繕積立金
総戸数の違いにより共有部分の大きさも異なるため、修繕積立金の設定も以下のように変わってきます。

総戸数規模 平均額
~20戸 1万4,722円
21~30戸 1万1,416円
31~50戸 1万2,028円
51~75戸 9,850円
76~100戸 1万872円
101~150戸 1万58円
151~200戸 1万526円
201~300戸 1万467円
301~500戸 1万3,566円
501戸~ 1万1,967円

 ※国土交通省「平成30 年度マンション総合調査結果(2.管理組合向け調査の結果)」を基に作成

 

◆中古マンション購入時に知っておきたい修繕積立金の注意点

価格的に手が届きやすい中古マンションではありますが、購入価格だけでなく、毎月必ずかかる修繕積立金についてもしっかりと確認しておくことが大切です。
中古マンションを購入する場合は、以下の5つのポイントに注意しましょう。

 

・長期修繕計画について
マンションの所有者は、管理組合へ毎月定額の修繕積立金を支払うことになりますが、この金額は各マンションが立てたそれぞれの長期修繕計画に基づくものになっています。ところが、「平成30年度マンション総合調査結果」によれば、長期修繕計画を作成していないマンションが9.1%存在しているのも事実です。

気になった物件が見つかった場合は、長期修繕計画がきちんと作成されているか、必ず確認しましょう


・設定額について
マンションの修繕積立金は、物件を所有している間はずっと支払い続けることになります。
そのため、できれば設定額が低いほうが助かると考えてしまうかもしれません。
たとえば築年数が浅い中古マンションということで、修繕積立金の設定額が低くてお得だといわれれば、納得してしまう人もいるでしょう。

上記でご紹介したように、2015年度以降に完成したマンションでは、それまでよりも修繕積立金の平均額が大きく下がる傾向となっています。
このような場合、修繕積立金の計画が見直されずにそのまま年数が経過すると、実際に必要な積立金が足りなくなるケースもあります。
したがって、修繕積立金の設定額が平均よりも極端に低いマンションには注意したほうがよいでしょう。


・積立金不足について

修繕積立金の設定額が低すぎて積立金が不足した場合は、どうなるのでしょうか?

国土交通省のガイドラインでは、マンションの修繕箇所別に修繕の適切な周期が示されています。
いざ修繕工事が行われる時期がやってきたときに、修繕積立金が不足している場合には、修繕工事が行えなくなってしまいます

その場合、建物の劣化がさらに進み、外観だけでなく安全性にも問題が出てきてしまいます。
また、各オーナーへの修繕費設定額の急激な値上げや、不足分に充てるための一時金を徴収される可能性も高くなります。

・大規模修繕工事の実施状況や時期
大規模修繕工事は、マンションの管理組合や居住者全員にとって非常に大きなイベントといえます。

中古マンションの購入を考えている人は、大規模修繕工事のうち外壁補修や屋上の防水補修などがいつ行われたのか、工事の納期に遅れはないかという点に注意してください。
基本的な補修工事がきちんと周期的に行われているかどうかは、マンション全体の寿命にも大きく関わってくる要因です。

・管理費会計・修繕積立金会計の収支や予算
管理費会計では管理費の使い方に無理がなく、修繕積立金会計では滞納額が多くないかという点を確認しましょう。
どちらもマンションの管理組合が管理しているもので、計画されている工事内容を予測したり、修繕積立金の滞納額が多い場合であれば、近いうちに全体的な値上げが予測できたりします。


◆修繕積立金の滞納はどんな問題になるのか

中古マンションを購入したものの修繕積立金の支払いが難しくなった場合、ケース別に次のような問題が発生する可能性があります。

・購入の場合
中古マンションを購入し、前の住人が修繕積立金を滞納していたというケースでは、前の住人から滞納金についても引き継がれることがあります
これは管理費においても同様で、「建物の区分所有等に関する法律第14条」にて、滞納金は新しい所有者にも請求できることになっているのです。
購入しようとする居室の毎月の支払い状況については、マンションの購入前に確認しておきましょう。

・すでに入居している場合
マンションに住み始めてから、修繕積立金の支払いが難しくなった場合は、マンションの管理組合から支払いの督促がなされます。
そのまま放置すると、自宅が競売にかけられるという最悪なケースになる可能性も出てきますのでご注意ください。

 

◆修繕積立金なしのマンションはあるのか

中古マンションの中には、修繕積立金がゼロ、もしくは少ないという物件もあります。
上記でも紹介したように、修繕積立金の設定がないというのは、長期的に見て、後で大きな出費をすることになる可能性があります。

入居後しばらくは得したような感覚になるかもしれませんが、長期修繕計画がない、あるいは修繕積立金の設定額が低い場合、後でそれをカバーしなくてはいけなくなる可能性があります。
また、大規模修繕が一度も行われていない物件は、きちんと管理されていない可能性が高いので、購入する際は注意が必要でしょう。


◆まとめ

中古マンションを購入する場合は、物件の購入価格だけでなくランニングコストについても確認しておくことが大切です。
マンションにおける修繕積立金は、全体で億単位となるような大きな額ですので、少しずつ全員で積み立てていくことで大規模な修繕が実現されます。設定額が低すぎたり、ゼロだったりする物件には気をつけましょう。

 

Webサイト:不動産・住宅情報サイトLIFULL HOME’S
住まいのお役立ち情報 マンションを買う
「中古マンションの修繕積立金とは? 管理状態の目安にも」より

 

 

以前のブログの記事で、一戸建てのお家は定期的なメンテナンスが必要です、ということはお伝えしましたが、マンションもまた同じです。
ただ一戸建ての場合は、購入してからメンテナンスを行うまでに、自ら計画して修繕費を貯金してゆかねばなりませんが、マンションの場合は「修繕積立金」という形で月々納めて、マンションに住む全員で少しずつ積み立ててゆきます。

もし、マンションの購入を検討中で、該当物件の修繕積立金や管理費が不明ということがあれば、お気軽にお問い合わせください。
また、例えばマンションを購入し、ローンの返済等を含めて、修繕積立金や管理費を入れると、月々の価格がどれくらいの金額になるのか、など具体的なご相談を承ることも可能です。
もちろんご相談だけでもOKですので、お気軽にご連絡下さい♪ 

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